北尾吉孝日記

『続くプーチンのロシア』

2011年9月29日 13:21
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「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」の「プーチン首相、大統領復帰へ―メドベージェフ氏が支持表明」という今月25日の記事にも下記記述がありますが、「プーチン首相がメドベージェフ氏の強力な後継者として大統領に復帰することが確実となり」ました(※1)。

『来年3月の大統領選については、両氏のどちらが出馬するかとの観測が数カ月続いていたが、両氏はモスクワで開かれた最大与党「統一ロシア」の党大会で相次いで登壇し、首相職と大統領職を交換することで合意したことを明らかにすると、会場の党員は歓呼でこれを承認した。ただ、政治アナリストによると、この演出された合意劇はプーチン氏の振り付けだとされる。』

本ブログでも幾度か指摘しているようにメドベージェフ大統領というのはある意味プーチン首相の傀儡でしかないと私自身は見ており、プーチン首相の大統領返り咲きの如何に拘らず、プーチン首相が政界を引退しない限りにおいてプーチン主導の実質的支配体制が続いて行くということです。
プーチン時代のロシア経済の概観については下記引用にある通りですが(※2)、そうした中で、例えば自動車については日本製の自動車をあれ程輸入していたにも拘らず、2009年1月から輸入関税を大幅に引き上げるというように、プーチン氏は強権を発動し続け世界の常識から外れた様々な政策を実施して来ました。

『ロシアでは、1998年8月に生じた金融危機から回復する過程において、石油等の鉱物資源の比較優位が明瞭になる中、石油輸出によって獲得された外貨で消費財を輸入するという形で個人消費に依拠する成長メカニズムが形成された(田畑伸一郎[2006])1。そして、世界的な石油価格の高騰による石油ガスの輸出収入の増加を背景に、プーチン政権下のロシア経済はマクロ的には順調な成長を遂げた。(中略)
しかし、2008年初夏に石油価格が下落傾向へと転じ、8月初頭にグルジアとの間で戦争が開始されると、ロシアからの資本逃避が目立つようになった。さらに9月中旬にいわゆる「リーマン・ショック」が発生すると、ロシア経済は製造業を中心に深刻な景気後退に陥り、2009年にはマイナス成長を記録するに至った2。』

こうした歴史的事実から見ても、悪い時はメドベージェフ氏に任せ、天然ガスや石油等のエネルギー価格が上がり出したところで大統領に返り咲くプーチン氏について、私は中々立ち回りの上手い人物であるという印象を持っています。

最後に2年半前に『ロシアの現状と今後の戦略』と題したブログでもご紹介したロシアにおける我が朋友、「IFC METROPOL」の代表ミハイル・スリペンチェク氏について一言述べておきます。
この朋友はブリヤート共和国における予備選挙で2位となり、今年12月4日投票の下院選候補者となったわけですが(※3)、プーチン派の彼が勝利を収めるということになれば、私どもSBIにとっても良い話ではないかというように私は考えています。

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ロシア経済の課題とモスクワ出張

参考
※1:プーチン首相、大統領復帰へ―メドベージェフ氏が支持表明
※2:ロシアにおける「安定化基金」の設立と再編
※3:Head of METROPOL Group Mikhail Slipenchuk is on the second place according to the results of regional primaries in the Republic of Buryatia.




 

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