北尾吉孝日記

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此の間の東日本大震災時にも全世界のサプライチェーンの中で重要なコンポーネントの生産が被災地においてストップしたわけですが、本日の日本経済新聞朝刊『タイ洪水被害広がる 供給停滞、世界に波及 NEC、HDD代替調達 ホンダ、マレーシア減産』という記事にも下記記述があるように、今回のタイでも一箇所に集中した形で一つの部材の集積基地とするという体制の脆弱性が浮き彫りになりました。

『タイの大規模洪水による被害が電機や自動車産業の世界生産に影響を与え始めた。タイは世界のハードディスク駆動装置(HDD)の約6割を生産しており、NECなどパソコンメーカーが代替調達に動き始めた。ホンダはタイの部品生産停止で、マレーシアでの自動車組み立てが減る。
(中略)タイに工場を持つ日系製造業約1900社(2008年時点)の約2割が被災する恐れがある。
洪水被害の拡大でまずタイに集積する電機や自動車の部品生産が停止。次に直接浸水していないタイの組み立て工場の生産が停止・減少した。
さらに、ここにきてタイ国外で生産への影響が出始めた。
(中略)日本企業はタイへの投資を拡大し、部品を含めた世界への供給基地に育ててきた。日本の本社企業がタイの現地法人から受け取る配当金など直接投資収益は、10年に3542億円。米国からの収益(2459億円)をしのぐ。工場立地など直接投資残高は10年末時点で約2.3兆円と、アジアでは中国向けに次ぐ。
(中略)洪水の影響が長引けば、日本企業の収益を悪化させそうだ。JPモルガン証券はトヨタなど自動車大手3社のタイ工場の操業が1カ月間止まると、3社の営業利益を合計で350億円押し下げると試算する。今期利益見通しの3%に相当する。』

所謂「国際分業体制」を進めるということはある意味生産性の向上に非常に大きな貢献を当然果たすことになるわけですが、こうした天災によってサプライチェーンが寸断され全体の生産が滞るというようなボトルネックがあることが「東日本大震災」及び「タイ大規模洪水」から明らかになったということです。
上述の記事においても「各社のグローバル調達・生産の見直しにつながる可能性もある」と述べられている通り、今後は各企業のリスク管理体制の中で少なくとも2、3箇所で同じ部品の供給体制を敷いて行くということも一つの検討事項として考えて行く必要があるのではないかというように私は上記2つの天災を見ていて思った次第です。




 

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