北尾吉孝日記

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先月29日、野田総理は「参院財政金融委員会で、2013年末まで延長されている証券優遇税制について、経済・金融情勢が急変しない限り、再延長はしない考えを表明」しました(※1)。
その時に「公平性や金融商品の中立性の観点から本則税率に戻すべきだ」と野田総理は語っていたわけですが(※2)、その中で非常に引っかかったのが「公平性」及び「中立性」という言い方です。
昨年12月、「11年度税制改正大綱で13年末まで2年間延長」が決定された後(※1)、私は『日本税制の諸問題』と題したブログでも下記の通り述べましたが、株式投資に対する優遇税制というのは当然のことではないかと捉えています。

【「証券優遇税制」の2年間延長が決められたことについては当然の結果であるというように考えており、何度も述べているようにそもそもリスクを取った株式投資に対する課税とリスクを取らない銀行預金金利に対する課税が同率になるということは明らかに合理性を欠いていると言わざるを得ません。
また「証券優遇税制」が論じられる場合、兎に角いつまで経っても「株式投資家=金持ち=悪」というような前時代的発想が持ち込まれますが、その発想自体がそもそもナンセンスであり、例えば株式を保有していること自体が悪いことであるかのように代議士がこそこそと申告をするというように異常とも言えるのが現況です。
それ故日本は個人金融資産の約55%を現預金が占めるというように主要先進国と比べると極めて特異な状況となっているわけで(※3)、「証券優遇税制」については数年間の延長ではなく、無期限延長、つまり恒久化すべきではないかと私は考えています。】

何故にリスクを取った株式投資に対する課税とリスクを取らない銀行預金金利に対する課税とを同次元で議論するのかということであって、公平性や中立性の観点からすれば、そうした議論自体がそもそもナンセンスではないかと思うのです。
公平性や中立性の観点から更に論じるならば、上記ブログでも下記指摘したように配当の二重課税の問題を即刻解決すべきであり、当該問題に対して野田総理がどのような考えを持ち今後どう取り組んで行こうとしているのかについて是非とも御説明願いたいというふうに私は強く思っています。

【配当の二重課税の問題、つまり「法人が稼いだ所得に対して、まずは法人税という形で課税される。そして、それが株主に配当される場合に、今度は所得税という形で課税される。このように、配当に関しては重複されて課税されており、そのことが投資の促進を阻んでいるという問題」です(※4)。
今年7月に『遺族が年金形式で分割して受け取る生命保険金について、相続税と所得税の両方を課すのは「二重課税で違法」との最高裁判決が出た』ことで所得税が還付されるということになりましたが(※5)、上記配当に関しても明らかに可笑しいわけで即刻改めるべきことであると私は認識しています。】

参考
※1:野田首相:証券優遇税制、14年以降の「延長ない」-国会答弁
※2:首相、大綱に増税時期明記と強調 証券優遇税制延長せず
※3:第一生命研究所 個人金融資産(各国比較、2009年末)
※4:配当二重課税
※5:「年金型」生保、税還付受け付け




 

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