北尾吉孝日記

この記事をシェアする

今月1日のNHKニュースでも下記の通り報じられているように「世界経済をけん引してきた新興国や発展途上国が金融緩和に踏み切るケースが続いています」が(※1)、恐らく今というのは様々な新興国において金融政策の転換が行われるタイミングとして捉えるべき時なのだろうと私は考えています。

『ブラジルの中央銀行は先月30日、金融政策委員会を開き、政策金利を現在の11.5%から0.5%引き下げて、11%とすることを決めました。ブラジルの中央銀行が利下げを行うのは、ことし8月以降3度目で、ヨーロッパの信用不安の影響などで景気減速への懸念が出ていることを受けて、追加の金融緩和によって国内産業を金融面から下支えするねらいがあるものとみられます。(中略)また、ブラジルと同じ新興国の中国は、先月30日、すべての銀行の預金準備率を今月5日から引き下げると発表したほか、東南アジアのタイやインドネシアも政策金利を相次いで引き下げており、世界経済をけん引してきた新興国や発展途上国が金融緩和に踏み切るケースが続いています。』

またロイターの記事にも下記の通りありますがブラジルにおいても金融政策だけではなく税制を含めて色々と変化してきており(※2)、例えば中国については「10月には約4年ぶりに資金が流出超に転じた」というように(※3)、新興国にとっては自国からの逃避を始めた先進国の資金を何とか食い止めねばならないというような状況にあるわけです(※4)。

『ブラジルのマンテガ財務相は1日、減税措置や金融取引税(IOF)引き下げなどを盛り込んだ一連の景気対策を発表した。即時実施される。
(中略)今回の景気支援策では、消費活性化および海外からの投資促進に重点が置かれており、一般消費者を対象とした広範な減税措置に加え、外国人投資家によるブラジル株購入に対する税金がゼロに引き下げられた。
(中略)またインフラ関連の一部社債購入に適用されていた外国人投資家に対する金融取引税も撤廃した。』

そしてもう一つ注目すべきはインフレ圧力が弱まってきているということであって、中国でも「10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.5%上昇となり、5カ月ぶりに5%台に低下」するといった形になっています(※3)。
つまり、世界経済全体が大幅に失速しているというのが現況ですから物価上昇が何時までも続くというふうには当然のことながら思い難いわけで需要が減退して行っているということなのでしょう(※5)。
唯、そうした中でも食料価格についてはそれ程下落しないというように私は見ているわけですが、それは取りも直さず世界中で人口が着実に増加してきているからであります(下記参照:2011年11月11日読売新聞朝刊『[社説]70億人の世界 日本の新たな戦略が問われる』より抜粋)。

『世界の推計人口が70億人を突破した。1950年に25億人だった人口が3倍近くに膨れあがった。
人口増加の勢いは、徐々に緩やかになっているが、それでも途上国を中心に、1年間に8000万の人口が増え続けている。2050年には93億人になり、21世紀末には100億人を超えて安定するという予測もある。
(中略)2020年ごろには、インドが中国を追い越して世界人口第1位になると予想されている。
42億人のアジアの人口は、約40年後に52億人に達した後、緩やかに減少すると見られている。現在約1億2800万人の日本の人口は、今世紀末には4800万人にまで減少すると推定される。
一方、10億人のアフリカの人口は、今世紀末に35億人に達すると見られる。移民など国境を越えた移動も活発化することだろう。』

上記引用にもあるように増加の一途を辿る世界人口に対し、どのように食料を供給して行くのかというのが世界の大問題の一つとして非常に重要になってくるわけですが、その一方で食料というのは当社の投資対象としては非常に面白いものであるというふうに見ています(参考:2009年11月18日北尾吉孝日記『ブラジルトリップ』)。
例えば、先日もある取引先から「食料ファンドを組成しようと思うのですがSBIも一枚噛みませんか?」といった御提案を受けたということもあったのですが、私自身はオーストラリアやニュージーランド、あるいはアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイといった南米を中心とするような所が今後一つのターゲットエリアになるのではないかと今考えています。

参考
※1:世界経済減速 ブラジル金融緩和
※2:UPDATE1:ブラジルが一連の景気支援策を発表、海外投資家への金融取引税も引き下げ
※3:中国、「成長重視」に軸足 預金準備率下げ、欧州の影響警戒
※4:新興国は景気の減速をしのげるか
※5:米中先導、夜明けは近い インフレ懸念後退 欧州失速カバー




 

(任意/公開)
(任意/非公開)



Copyright © SBI Holdings, inc. All rights reserved.