北尾吉孝日記

『小沢一郎と橋下徹』

2012年1月26日 15:26
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一昨日の日本経済新聞記事『「話し合い」か「小泉型」か、真逆の解散シナリオ』冒頭の下記記述にもある通り、昨今野田総理が所謂「話し合い解散」に持ち込むのではないかということが取り沙汰されるようになってきています。

『野田佳彦首相は2つの衆院解散・総選挙シナリオを視野に、24日召集の通常国会に臨んだ。第1は消費税増税法案の成立と引き換えの野党との「話し合い解散」。第2は不成立時にやむなく国民の信を問う「小泉型解散」だ。同じ解散でも、法案の成否と首相の権力の使い方は真逆になる。』

また本ブログでも時々取り上げてきた所謂「民主党・小沢元幹事長の政治資金問題」について言えば、現況で推移すると「元秘書3人の供述調書の証拠採否を決める公判期日」の来月17日には小沢氏の実質的な無罪が確定するのではないかというふうにも言われていますが(※1)、仮にそうなった場合は3月というのが政局の行方を左右する上での一つの山場になりましょう。
昨日の『「民主党の政権政策」とは何か』と題したブログでも終始一貫性の欠如した民主党政権の体たらくぶりを批評したわけですが、あの政権交代を主導した小沢氏としても凡そ2年半の政権運営に対しては内心忸怩たる思いを当然持っているでしょうから、百名超とも言われる「小沢チルドレン」を含め小沢系の国会議員というのが「6月21日までの今国会の会期中に、野田佳彦首相を衆院解散・総選挙に追い込む」べく内閣不信任決議案や首相問責決議案を突付けるであろう自民党と一緒になって動いて行く可能性もあり得ると思っています(下記参照:2012年1月24日時事ドットコム「自公、問責・不信任探る=協議拒み解散へ徹底抗戦」より抜粋)。

『自民党は今国会の勝負どころとして三つのヤマを想定している。最初は、政府が消費増税関連法案を提出しようとしている3月だ。与党内の反増税派の反発の度合いによっては、内閣不信任案を提出すれば可決の可能性も出てくる。
次のタイミングが4月上旬。2012年度予算案の成立を待って野党多数の参院に首相問責案を提出するシナリオで、自民党内には「問責可決で4月解散-5月20日選挙だ」(参院幹部)と具体的な衆院選の日取りを口にする向きもある。
三つ目が6月の会期末だ。消費増税法案や予算関連の特例公債法案、交付国債関連法案の成立を徹底して阻止して首相を解散に追い込むという筋書きで、不信任案や問責案の提出も検討することになる。』

今後小沢氏がどういう所で誰と手を結んで行くのかというのが一つ重要になってくるわけですが、昨年12月のブログ『今後の政局とキーパーソン』でも下記の通り述べたように小沢氏としては橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」と連携して行こうというふうに考えているのではないかと私は見ています。

【今後の政局というものがどうなって行くのかを考えますと、最長でも残り1年8ヶ月余りとなった民主党政権が終わりを迎える前後に起こり得るのは又もや政界再編成であろうと思われますが、そうした時に一つの核となり得るのが上述の橋下氏や名古屋市長の河村たかし氏といった政治家であり、彼らが既存の代議士の誰とどのような連携を図って行くのかが一つの焦点となりましょう。
(中略)昨日も橋下氏と大阪府知事の松井一郎氏は「国会内で民主党の小沢一郎元代表、輿石幹事長らと相次いで会談した」わけですが(※2)、小沢氏にしてみれば次期衆院選を経て民主党の一年生議員の殆どが議席を失うと想定される中、今後どう動いて行くのかを決める上で橋下氏をキーパーソンとして捉えているに違いありません。
(中略)そして例えば、民主党政調会長の前原誠司氏と自民党の石破茂・元防衛庁長官が組むというように、恐らくこれからは比較的若い層が党を跨いで連携する中で新たな勢力が生まれてくるといった可能性もあるのではないかと思っています。】

小沢氏と橋下氏のある意味での共通項は本ブログでも指摘し続けてきた政官財癒着の社会経済システムを抜本的に刷新するということであり、その共通項こそが将来日本に発展を齎す上で私は最も大事なものであるというように認識しています(下記参照:①2011年7月22日北尾吉孝日記『新たな日本創造への処方箋』、及び②2011年8月23日北尾吉孝日記『民主党代表選と小沢一郎』より抜粋)。

①【今日本で希求されているのは、上述したような政官財の癒着構造全てを叩き潰す政治力と強力なリーダーシップです。
あの小泉純一郎氏を以てしてもその点では殆ど何も出来なかったわけで、「郵貯改革」に対する取り組みのみが行われただけなのです(悪い影響が齎されたのかもしれませんが・・・)。
私は今でも小沢一郎氏をおいて上述した大改革を成し遂げることが出来る人物は存在しないというように思っています。
そして、これまで本ブログでも幾度か述べたように次代の政界のホープは細野豪志氏であると考えておりますが、私の人物眼による限り、彼にはその素養があると思うのです。
この人物を如何に育て上げ、将来的に上記大改革を完遂し得るのかということこそが、日本にとっての一つの大きなポイントであると認識しています。】
②【多くの知識人達が問題提起する「今後日本はどうあるべきか」「日本は最早変わらねばならない」ということに関し、その共通認識を掘り下げて言えば、その変わり方としてはやはり今まで小沢氏が主張してきた政官財の癒着構造を抜本的に叩き潰すこと、特に官との関係性(官僚支配)を断ち切ることが絶対的に必要であるということです。
(中略)この世界にメスを入れた者、あるいは入れようとした者に対しては、政官財全てに米国も併さって当該人物を強力に葬り去ろうとするわけで、小沢氏のように最初から官を潰すと言い続けてきた人物というのは、官からすれば総理大臣になってもらっては困る最も危険な存在なのです。
(中略)小沢氏というのは自分の職責には固執しない人物であって、例えば自民党に所属していれば疾うの昔に総裁・総理になることが出来ていたにも拘らず、彼は敢えてそれを蹴飛ばしたような人ですから、上記政官財癒着の社会経済システムを将来の日本のために如何にして叩き潰して行くのかという観点から、今回の代表選において今後も動いて行くことになるでしょう。
何故ならば、それこそが彼の天命であると彼は考えおり、これまでもその実現への執念によって生きてきた男ですから、私はそうした部分において小沢一郎という人物を非常に評価しているのです。
彼の人柄やそういった強い思い故に虚像が作り上げられ、そして、殆どの社の記者が小沢氏を天下の極悪人のように取り上げ偏向的な報道がなされているような状況ですが、私に言わせれば、それは全く的外れなことではないかというように思っています。】

小沢一郎という人物は1993年8月に誕生した細川護煕内閣、そして2009年9月誕生の鳩山由紀夫内閣とある意味2度の政権交代を成し遂げてきたわけですから、その政治手腕と橋下氏の斬新さを合わせて三度目の正直でもう一度新政権創成に動く可能性もあるのではないかというふうに私は思っています。
先週水曜日にも『橋下徹大阪市長について』と題したブログで下記の通り指摘しましたが、橋下氏というのは正に「狂者(奔放な人)」であり小沢氏もある面「狂」の人かもしれませんが、今の日本を覆う閉塞感を打破するには取り分け「狂」が必要でありましょう。

【また『論語』の「子路第十三の二十一」では次のように述べられており、私自身も「狂者(奔放な人)」の側面を持っていると自覚していますし、そもそも「狂」か「狷」かといった問題でもないとは思いますが、少なくとも今見られるような大上段に構えた過激な手法によって橋下氏が物事を成就させて行くのは困難ではないのかというふうに私は考えています。

 書き下し文『子曰く、中行を得てこれに与せずんば、必ずや狂狷か。狂者は進みて取り、狷者は為さざる所あり。』
 現代語訳『孔子がおっしゃった。「言行が中庸な人と付き合いできなければ、奔放で気骨がある人と交際するのがよい。奔放な人は進取の精神に富み、気骨のある人は悪事を働かないからだ」』】

私は橋下氏にお会いしたこともありませんし、どの程度の人物なのかは良く分かりませんが、進取の気性に富む若者が正義感に燃え政界の表舞台に出てくるというのは大変結構なことであると思っています。

参考
※1:「小沢さんは無罪」 前田元検事「見立て違いの妄想」と捜査批判
※2:小沢氏、橋下市長に「日本全体を一気に…」と




 

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