北尾吉孝日記

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凡そ2年前『「企業30年説」を打破する為に』というブログを書きましたが、人間自身についても人生の賞味期間というのは精々30年位でそれ程長いものではありません(※1)。
『論語』の「子罕第九の二十三」では次のように述べられていますが、20歳位までを教育期間とすれば、40歳、50歳で芽が吹かない人は恐らくそれ以後も芽が吹くことはなく、そこが一つの区切りということになるでしょう(※2)。

 書き下し文『四十、五十にして聞こゆることなきは、これ亦(また)畏(おそ)るるに足(た)らざるのみ。』
 現代語訳『四十、五十になっても少しも世間に知られないようなら、畏れるには足らないと。』

盛衰の期限について『孟子』には「君子の沢は5世にして斬ゆ(君子のもたらす恩沢は150年で尽きてしまう)」とありますが、例えば共産主義国としての東欧諸国が崩壊に至るまで大体70年掛かったように、現代では物事の移り変わりというものは寧ろ60~70年程度で一つの区切りを迎えるということなのだろうと私は思っています(※3/※4)。
『北アフリカのチュニジアで発生した反政府デモに端を発し,中東・北アフリカ諸国に拡大した「アラブの春」』を例に考えてみても、今回「長期独裁政権が続いていたチュニジアやエジプトでは大統領が退陣,リビアでは反体制派との武力衝突を経た政権交代が行われるなど,かつてない大規模な政治変動』となったわけですが、エジプトのムバラクは一代目、シリアのアサドは二代目、そしてリビアのカダフィについても1969年にクーデターで政権掌握を果たした後、約40年で終焉を迎えているわけです(※5/※6)。
即ち、嘗て150年と言われた盛衰の期限はより短縮されてきているのではないかというふうに捉えており、何故そうした形で終わりが早くなってきているのかと言えば、情報の伝播速度が向上して行っているということが最大の理由として挙げられると思います。
例えば、先に述べた東欧共産圏の崩壊についてもコピー機の発明により西欧の情報がいとも簡単にコピーされ大量に広がって行ったというのが原因であり、体制にとって情報というものは致命的なものに成り得るのです(※7)。
また今回は、「反政府運動に参加した民衆はツイッターやフェイスブックなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)や衛星放送等のメディアによって連帯と情報共有を図っており,かつてないスピードで国境を越えて民主化運動が拡大して」行き、そして「アラブの春」のような民主化のうねりというものが中国国内に飛び火するのではないかとまで言われていたわけです(※5/※8)。
それ故そうした意味において情報統制が出来ないような体制は直ぐに崩壊して行くことになると言えましょうが、現代において唯一徹底した情報統制の下、何とか三世代目へのバトンタッチを実現しているのが北朝鮮という国です。
これまで先軍政治をずっと執り軍部に対して特別な恩典を与えるという中で軍事力を持って何とか国家統治を行ってきたわけですが、現在「農地の4割が被害を受けている」というような深刻な干ばつに見舞われており、北朝鮮はますます大変な状況になってきているので三代目がいつまでもつかなと気になります(※9/※10)。
昔から「売り家と唐様で書く三代目(初代が苦心して財産を残しても、3代目にもなると没落してついに家を売りに出すようになるが、その売り家札の筆跡は唐様でしゃれている。遊芸にふけって、商いの道をないがしろにする人を皮肉ったもの)」と言いますが、金日成⇒金正日⇒金正恩と三代続く北朝鮮という国は言わば売り家でありましょう(※4)。
従って、「朝鮮戦争休戦協定」が結ばれてから約60年が経過する北朝鮮についても5世までもつとは到底考え難く、歴史が証明するように崩壊して行くことになるのではないかと私は見ています(※4)。

参考
※1:2012年4月20日北尾吉孝日記『自己を得る
※2:2010年11月8日北尾吉孝日記『社会貢献活動の一つの在り方~森信三全集を現代の若者達へ~
※3:2012年6月5日致知出版社のメールマガジン『「偉人たちの一日一言」【盛衰の期限】』
※4:2010年12月8日北尾吉孝日記『今年の10大ニュースと来年以降の最重要問題について
※5:2012年5月29日外務省『「アラブの春」と中東・北アフリカ情勢
※6:2011年10月現在外務省「リビア:基礎データ
※7:2010年3月5日北尾吉孝日記『Googleについて
※8:2011年11月25日北尾吉孝日記『中国民主化リスク
※9:2011年12月21日北尾吉孝日記『金正日後の北朝鮮
※10:2012年6月2日朝日新聞「北朝鮮、干ばつで痛手 農地4割被害、正恩体制に重荷




 

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