北尾吉孝日記

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今月1日に中国返還15周年を迎えた香港は、此の間人民元の国際化を進める中国にとって貴重な金融市場として大きな役割を果たしてきました。
元の国際化について言うと、例えば先月1日から「米ドルを介さず円と人民元を直接交換する為替取引が(中略)東京、上海の両外国為替市場で始まって」いますが、ある意味基軸通貨ドルの信用失墜の裏腹に人民元の台頭があるわけで、恐らく人民元というのは今後益々世界における重要な通貨になって行くことでしょう(※1/※2/※3)。
そういう中で香港は世界的な金融センターとして確固たる地位を築いて行くであろうと私は捉えており、それ故に当社は昨年4月に日本初の香港上場企業となったわけですし、また将来の第2本社に向けて香港現地法人を海外戦略拠点化しているわけです(※4/※5)。
唯ここへ来て「深圳市の前海特別経済区で資本勘定における人民元の交換を認める試験的なプログラムを検討している」という話も出ており、中国は「適格外国機関投資家(QFII)制度で香港の金融機関に求める要件を引き下げることも検討しているほか、マカオと香港、広東省にまたがる人民元の利用を促したい考え」といったものを持っているようです(※6)。
御承知のように深圳市というのは香港の隣に位置しており、言ってみれば深圳市と香港との融合をより深化させることで香港の更なる発展、あるいは深圳市も含めた金融領域というものをもっと発展させて行くというのが中国の意図であろうと思います。
「香港金融市場は中国の先導役」としての役割を果たすだけでなく、今度は深圳市の金融特区との融合を図りながら壮大な発展を遂げて行くというステージにひょっとしたら既に入りつつあるのかもしれません(※7)。
そしてこれまで中国は上海市を将来国際金融センターにすべく構想してきたわけですが、今日の現状を鑑み上海市ではなく深圳市プラス香港で良いのではないかと寧ろ思ってきたというふうにすら思えます(※8)。
これから深圳市の金融特区がどんどん発展し香港との一体化が着実に進んで行くことになれば、香港・深圳国際金融センター構想といったものがより具体的になって現実味を帯びてくるというふうな気がしています。

参考
※1:2012年1月27日北尾吉孝日記『「日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化」について
※2:2012年6月25日ロイター「訂正(発表者側の申し出):日中金融協力拡充で通貨スワップ見直しへ=財務省
※3:2011年1月27日北尾吉孝日記『21世紀に対する洞察2
※4:2011年4月4日北尾吉孝日記『2011年度入社式訓示
※5:SBIホールディングス株式会社 企業情報・SBIグループ「トップマネジメントメッセージ
※6:2012年6月28日ブルームバーグ「中国:資本勘定での人民元交換プログラムを検討-深圳市で
※7:2012年7月1日日経ヴェリタス「香港金融市場は中国の先導役――返還15年、人民元の国際化へ向けた重要な実験場に」
※8:2009年9月2日北尾吉孝日記『中国の国際金融センター化構想とSBIグループの事業戦略




 

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