北尾吉孝日記

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「中国の景気減速をどう見るか」については昨今多数報道されていますが、その大多数で展開されているある種の悲観的論調に対し、本ブログでは私のビジネス上の実体験も踏まえた上で反論を記しておこうと思います(※1/※2)。
最近の例を挙げますと、当社傘下のSBIアートフォリオ株式会社で古美術のオークションを実施したところ、多数のビットを掛けてきて高い値段をつけるのは皆中国人でしたし、あるいは同じく傘下のSBIウェルネスバンク株式会社が浙大网新科技(インシグマ)という中国IT大手と協業し中国人富裕者向けに健康診断ツアーを企画したところ、またそれに殺到するというような状況でした(※3)。
この5年間の上場企業数推移について世界銀行の「Listed domestic companies,total」を見ますと、中国では約900社、多数の中国企業が上場する香港では約450社増えているわけで、やはりそれだけの公開利益を得た創業者群が中国では生まれて来ているということです(※参考…中国:2006年-1440社→2011年-2342社、香港:2006年-1021社→2011年-1472社)。
また先月1日にはボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が『2012年版Global Wealth Report』を発表していましたが、人民日報記事「中国の富豪が大幅増 スーパー富豪は世界5位」でも下記指摘されている通り、中国の富裕者数のレベルというのは先進諸国と比して全く違うような状況になって行っています(※4)。

『同報告によると、世界の100万ドル長者は1260万世帯で、うち新たに増加した世帯は中国とインドを中心とし、中国の増加率は15%に迫った。中国の100万ドル長者は10年は129万3千世帯、09年は85万世帯、05年は41万世帯だった。
これと同時に中国で資産が1億ドルを超えるスーパー富豪は前年比110世帯増加し、増加率は20%に達した。「フォーブス」は、「この点は注目に値する。2009年の中国はスーパー富豪ランキング第13位で、世界にはこれほどの飛躍を遂げた国はほかにない」と評した。』

上述したような各種データ、及び上記2つの具体的事象といった当社に纏わる様々な事柄を通じて最近つくづく思うのは、今大変な数の金持ちが中国には存在しており今後も「過去に例のないスピードで飛躍的に増加」して行くであろうということです(※5)。
世界長者番付には近年中国人がどんどん登場してきており、例えばForbes.comの「The World’s Billionaires」に出ている中国人のように自身の資産を公表する者もいるのですが、その一方で黙して語らずという中国人資産家がいるということも認識しておくべきではないかと思います。
また私の所には色々な中国の若者達が頻繁にやって来ますが、彼らというのは「何とかして一旗上げてやろう!」と目の輝きから全く違っており、何れ成功者となって途轍もない金持ちになり得るそうした集団もまた片方であるわけです。
先週の日本経済新聞記事に下記「エコノミスト見通し」がありましたが、上述したような意味において中国の現況を見るならば、多少経済成長率が鈍化し「保八(8%成長を守れ)」を僅かながら実現出来ないというだけのことであって、巷で大袈裟に言われる「中国の景気減速」については何ら心配する必要はないというふうに私は考えています(※6)。

『中国政府は13日に2012年4~6月期の中国の国内総生産(GDP)を発表するが、前年同期と比べた実質成長率のエコノミスト予想平均は7.7%だった。予想通りなら6四半期連続の減速で、09年4~6月期の7.5%成長以来、3年ぶりの8%割れとなる。
(中略)12年通年の成長率の予想平均は8.1%と前回調査の8.4%を下回った。』

参考
※1:2012年6月三井住友信託銀行株式会社 経済・産業レポート「中国の景気減速の影響をどう見るか
※2:2012年6月26日日本経済新聞「大機小機 中国の景気減速をどうみるか
※3:2012年6月28日日経コンピュータ『「狙い目は通信・金融・政府系」中国IT大手トップが明かす、中国進出の勘所
※4:2012年5月31日BCGプレスリリース「世界の家計金融資産は前年比1.9%増の122.8兆ドルに
※5:2012年6月4日人民日報「中国の富豪が大幅増 スーパー富豪は世界5位
※6:2012年7月5日日本経済新聞「中国成長率、3年ぶり8%割れ エコノミスト見通し 4~6月期は7.7%成長、本社・NQN調査




 

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