北尾吉孝日記

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連日報道されている「アルジェリア人質事件」ですが、私自身このアルジェリアという国には行ったことはありません。
唯、日本に駐在されているアルジェリア大使とは、アブダビ大使と共に食事を御一緒させて頂いたりと何度か御目に掛かったことがあり、彼からはアルジェリアというのは本当に良い所であるという話をずっと聞いていました。
そのアルジェリアで今回こうした惨劇が起こってしまったわけですが、振り返ってみれば此処の所「MENA(Middle East and North Africa)」と呼ばれる中東・北アフリカ諸国、取り分け北アフリカ側の方では、チュニジアに始まり次々と様々な問題が起こってきています。
その状況推移については、2年前のブログ『中東・北アフリカ地域への出張を終えての雑感』以後、当ブログでも時々指摘してきた通りです。
私どもは嘗て、アフリカ大陸の中である意味最も発展している北アフリカ諸国は投資対象になり得るとの考えから、アラブ首長国連邦アブダビ政府系Invest AD(アブダビ政府系の投資会社)と共同でMENA地域を対象とした投資ファンドを設立しました。
北アフリカ諸国において私どもの投資は未だ始まってはいませんが、実は今度モロッコ最大の都市カサブランカにあるInvest ADのオフィスに駐在員を送ろうと考えていた折、アルジェリアで問題が起こってしまい、モロッコに駐在員を送るのも如何なものかと思わざるを得ないような状況になってしまいました。
今回の事件に関して私は、『所謂「イスラム過激派」と呼ばれる連中は国から国へと移って行き世界各国に拡散し武力闘争を繰り広げているのではないか。本当にその国に居る人がやったことなのか』、といった疑問も抱きながらニュース等を見ていました。
報道に拠るところで見れば、どうもモフタール・ベルモフタールというアルジェリア人が首謀者のようですが、此の人達は何故それ程までに怒り狂い、何のためにそういうテロ行為に走るのかと理解し難いものがあります。
報復などというのはきりがない話であり、そうしたことを続けたところで何も生産的なことはなく、あらゆるものが破壊されるだけであって、然もそこでは多くの尊い人命が失われることになります。
「コーランか然らずんば剣か」というような部分もあるのかもしれませんが、宗教的な一種の問題をずっと引き摺ってはいるものの、そもそもイスラムというのはそれ程過激な宗教ではないというふうに私は認識していました。
特にウサマ・ビンラディンの9.11から始まって今日までというのは、互いがエスカレートして殺し合って行き、そして罪無き人が巻き添えを食らうという一番悪い循環に入ってきているような気がします。
暴力にはまた暴力を以て徹底的に向かって行くということを続けたところで永久に終わることのない話であり、もっと抜本的な決着のつけ方は何かないものかと思っている次第です。『老子』には「不争の徳」、つまり争わない徳という言葉があります。とにかく何でも戦おうという姿勢は良くないということです。あるいは、「兵は不祥の器にして、君子の器に非ず、已むことを得ずして之を用ふ」とあります。本当にやむを得ない時にしか兵は使ってはいけません。
『孫子の兵法』にも「百戦百勝は、善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」という言葉があります。世界中でこのような考え方を身に付けてくれるといいのですが。




 

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