北尾吉孝日記

この記事をシェアする

先日オバマ政権の2期目が正式にスタートしたわけですが、2期目に入ってもやはり議会の「ねじれ」故に中々思うようには動かし得ず、少なくとも来年秋の中間選挙の前までは指導力を発揮し難い状況が続くのではないかと思います。
唯、言うまでもなく米国は今でもスーパーパワー(超大国)であり、No.1カントリーとして世界の中で大変責任ある立場に立っています。
例えば先日の日米外相会談の際、クリントン米国務長官は「米国は尖閣諸島の領有権で特定の立場を取らないが、尖閣諸島は日本の実効支配下に置かれている。日本の行政管轄を損なういかなる一方的な行為にも反対する」と述べたようですが、それに対して中国外交部の秦剛報道官は20日、「米国は事実を無視して発言した。中国は米国の発言に強い不満を持ち、そして断固反対する。米国は責任を持った態度で釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)問題に対応すべきだと促す」と反論したとされています(※1)。
日本からしてみれば、尖閣諸島を巡る問題といったものに対して米国がそうした形で明言をしてくれるのは一面結構なことではありますが、そう言って貰ったところで日中関係というのは悪くはなっても良くなることはなく、却ってその発言が緊張を高まらせている部分も出てきています。
そうではなくて、スーパーパワーたる米国は他国の問題にあっても積極的にその間に入り、当該問題を如何に扱いどのように決着させて行くかを提案して行く、というようなアプローチの仕方があって欲しいと思っています。
世界のスーパーパワーとして、2期目のオバマ政権にはこれまでよりも建設的な言動をして貰いたいというふうに私は期待しています。
此のオバマ政権はこれから益々様々な問題を内外に抱えることになるわけですが、例えば未だ内戦が続くシリアの問題で見られるようにあくまで我関せずを貫くのであれば、スーパーパワーとしての責任は如何なものかと思います。
唯その一方で、例えばイラクやアフガニスタンで行ったようにシリアに対しても軍事的に介入し旧政権を潰すべきかと言われれば、軍事介入という手に拠っても殆ど効き目は無く何一つ有用ではないというふうに歴史的事実からは言えるような気もします。
即ち、イラクやアフガニスタンのケースというのは、共に米国のお蔭で寧ろ事態は悪化し、後に幾ら米兵を送ってみても治安の維持すら十分には行われてきておらず、そして大勢として「結局あの戦争とは一体何であったのか」という評価が下されているわけです(※2)。
従って、今まで打ってきた手とは少し違う何かを米国として打って行かねば今後も良い結果には繋がって行かないと思われ、私が何か具体的なアイデアを有しているというのではありませんが、それこそスーパーパワーたる米国が傍観者やコメンテーターの立場ではなく、もっと真剣に真正面から世界が抱える色々な問題に取り組んで行くことが重要ではないかと思います。
例えば、上記シリア問題に対しても実際に軍事的な介入を行うというのではなく、「何時何時までに○○をこうしなければ米国も軍事行動を執るよ」というようにある意味圧力の掛け方を工夫することにより、ひょっとしたら脅し効果だけでも結構ポジティブな影響を齎し得る結果になるかもしれません。
その一方で、上述したように今回脅し効果を期待して米国は尖閣問題に言及したとも言えますが、最早中国はそうした脅しに乗るような国ではなく、逆に事態を悪化させるような結果となっています。
また歴史的に見ても、中国という国は正に中華という真中に咲く華であり世界の支配者であって周りは九夷(きゅうい:九つの野蛮国)である、といった調子でたとえ王朝がかわろうと全てが中国の属国であると何千年もの間思ってきたのが中華思想です(※3)。
そうであるが故、幾ら「尖閣は日本固有の領土」と言い続けてみたところで、そういう国民はそう簡単には変わりませんし、また歴史を遡ってみれば、琉球王朝(現沖縄)は明に対して臣下の礼を取り、そして貢物を持って明に行っていたわけです。
このように「尖閣は日本固有の領土」という時に上記史実を如何に考えるべきかという問題もあるわけで、中国のような国に幾ら脅しを掛けてみても相手になるものではありません。
米国の日中領土問題に対する関与の仕方如何では、本当に日中戦争が勃発し米国が介入して行かねばならない事態に陥るかもしれません。私は日中で仮に紛争が起こっても米国はいざとなれば介入しないと思っていますが。
仮にそうなったとすれば、共に原水爆を有する米中が戦争するわけですから、地球の終わりを意味していると言えるのではないでしょうか。

参考
※1:2013年1月21日サーチナ「中国外交部、米国の尖閣諸島に関する発言に反論
※2:2011年7月12日北尾吉孝日記『現実化してきたパックス・アメリカーナの終焉
※3:2011年5月9日北尾吉孝日記『偉大な中華民族の復興




 

(任意/公開)
(任意/非公開)

  • 小
  • 中
  • 大



Copyright © SBI Holdings, inc. All rights reserved.