北尾吉孝日記

『物価と人口』

2013年3月14日 14:48
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内閣官房参与・エール大学名誉教授の浜田宏一氏は御著書『アメリカは日本経済の復活を知っている』(講談社)の中で、「人口減や構成の変化は、インフレの要因になってもデフレの要因にはならないというのが、経済学、経済の生理学から出てくる唯一の結論だ」として、『この議論をまじめに(というより自己の無作為を弁護するために)研究し、国際会議まで行う日銀は、あたかも医学の専門家が、健康についての「床屋談義」を、お金と暇をかけてやっているようなものである』と批評されています。
日本のデフレの主因が少子高齢化及び人口減少だとする日銀の理屈については私も理解し難いものがありますが、では人口が増加すればデフレが解消するかというとこれまた良く分からない部分があります(※1)。
先ず経済成長率というのは、我々が習った経済学において「人口の増加率プラス生産性の上昇率に近似的に等しい」となっていますから、人口が増えて行くことで経済成長が起こることに繋がって行くケースは多くなります。
しかしながら嘗ての中国やインドもそうであったように、人口の増加率は高いが経済成長率が非常に低く長い間Take Off出来なかった国も沢山あるわけで、やはり原始的資本蓄積というようなものがあって初めて、経済のTake Offを迎え高度成長を遂げて行くことが出来るのだと思います。
他方、マネタリストは、デフレやインフレというのは基本的に人口の増減や経済成長率等とは無関係の極めて貨幣的な現象であり、そしてまた金融政策がワーカブルなものであるとしています。
つまり経済成長率が高いからといって必ずしもインフレ率が高いということではなく、私は、物価というのはその時々の有効需要の程度や貨幣量そして「貨幣とりわけM2の所得流通速度」といったことが長期的にはより関わっているのではないかという気がします。

参考
※1:2010年12月20日Japan Mail Media「村上龍が聞く 金融経済のスペシャリストからの回答




 

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