北尾吉孝日記

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今回の参院選の投票率は、「前回2010年参院選を5.31ポイント下回り、1995年、92年に次いで過去3番目に低かった」わけですが、皆最初から結果は分かっているという中で、投票に行っても仕方がないと考え結局行かなかったという人が多かったのだろうと思います(※1)。
しかし結果が分かっていようがいまいが、やはり民主主義における非常に大事且つ基本的な行為である投票行為については必ず為すべきで、一票を投ずることで政治への参加は具現化されると思います(※2)。
歴史を振り返って見れば、今から124年前に発布された大日本帝国憲法下においては所得制限が設けられ、しかも男性のみが参政権を有するという状況であったわけで、嘗て女性達が参政権獲得の為にどれだけの運動を展開してきたのかに思いを馳せ、一票を行使しないことはある意味自らが民主主義を否定することに繋がる、というぐらいの意識を夫々が持つべきではないかと思います(※2)。
昨年12月のブログ『Call 5! Vote 80!~日本の若者よ、投票に行こう!~』でも述べましたが、先ず以て一つ申し上げておきたいのは、有権者皆夫々が「如何なる将来社会を望むのか」や「将来社会がどうあって欲しいと思うのか」といったことを真剣に考え、参政権をきちっと行使し民主主義の政治に参加するということが大事なのだと思います。
御存知のように今回の結果については、先々週のブログでも「与党圧勝とりわけ自民党圧勝という結果に終わるのだろう」とか『「生活の党」は0か1程度しか議席を確保出来ないのではないか』と予想した通りのものでしたが、民主党の状況についても指摘し続けてきた通りの形になってしまいました(※3/※4)。
今年2月のブログ『民主党の終焉』でも述べたように、民主党という政党は失敗であったということで、これから後分裂することはあっても再生することはなく、残念ながら党に所属していてもどんどん落ち目の三度笠になるだけですから、まともな人は早く党から離れて次にどうすべきかを考えた方が良いでしょう。
そして、民主党のみならず他の野党も夫々が一度御破算にした上で、民主党の中に居られた有能な人達と他の野党の意を同じくする者が中心となって新勢力を結集し、自民党と真っ向から対立出来るような二大政党制の一翼となる次の新しい野党の創設を考えて行くことが必要ではないかと思います(※5)。
但し、前回何とか政権交代を実現したものの寄せ集めで作られた民主党のような形では駄目であって、昨年11月のブログ『「石原新党」以後の政治情勢』等でも「政道」「政略」「政策」という政治の三要素について触れましたが、再び政道・政略の相違を無視し烏合の衆の如く集まってしまっては、何れ仲間割れが起こり結局崩壊して将来に禍根を残すだけとなるでしょう。
今回の選挙を経て衆参のねじれが解消される中、ある種の牽制機能については公明党に期待される部分がある一方、やはりそれだけでは不十分というふうにも思われ、上記民主党の失敗からきちっと学んだ上で二大政党制における極をもう一つ創り上げ、そして与野党が常に緊張感を持って切磋琢磨して行くという状況が実現されればと思っています(※5)。
「日本の憲法をどうして行くのか」、あるいは「TPPを含めて今後グローバル経済体制の中で日本はどうあるべきか」等々、これからの日本の針路にとって極めて大事な問題が山積しています。しかし、こうした問題を未だ多く残るいわゆる族議員を抱える自民党の手に完全に委ねてしまって本当に良いのでしょうか。
勿論、安倍内閣の下で自民党が心機一転して取り組んで行くというのは大いにやって貰ったら良いですが、また直ぐにあらゆる分野に蔓延る族議員達が彼方此方から出てきて、旧態依然とした既得権益を守ろうと必死に抵抗してくるのではないかということが懸念されます(※6)。
更には、自民党が創り上げた戦後の所謂「55年体制」を支えていた政官財マスコミ癒着の社会経済システム、あるいはここに米国という要素を加えても良いかもしれませんが、此の四つなり五つで創り上げてきた体制が本当にこれからも機能するのか、ということもよく検討して行かねばなりません。
そしてそういう時だからこそ、様々な意見を集約し真に建設的な議論を重ねながら、正論を戦わせる中で多数決において物事が決められて行き、時に最終的決において野党が反対票を投じ否決されることもある、という二大政党制を実現し牽制機能が確保された体制へと、今回の選挙を踏まえ持って行く努力をすべきだと思う次第です(※5)。

参考
※1:2013年7月22日Yomiuri Online「参院選の投票率52.61%…過去3番目の低さ
※2:2012年12月13日北尾吉孝日記『Call 5! Vote 80!~日本の若者よ、投票に行こう!~
※3:2013年7月9日北尾吉孝日記『参院選後の安倍政権の行方
※4:2013年7月10日北尾吉孝日記『政治家・小沢一郎の終焉
※5:2013年4月4日北尾吉孝日記『民主党の分裂により現れる二大政党制の萌芽
※6:2013年5月15日北尾吉孝日記『「安倍ノミクス」と構造政策




 

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