北尾吉孝日記

『日本の司法に思う』

2013年7月26日 9:18
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先月26日の「法曹養成制度検討会議取りまとめ」を受け、破綻をきたした法科大学院制度に関して各所で論じられていますが、私としては当該制度自体というよりも日本の司法そのものについて、先ずは様々な部分を見直して行くべきではないかと考えています(※1)。
例えば、麻原彰晃(本名:松本智津夫)死刑囚の「公判では、約7年10カ月の審理の末、16年2月に東京地裁が死刑を言い渡し(中略)、控訴審は一度も開かれないまま、18年9月に死刑が確定した」ものの、無駄に食事を与え続け未だ以て彼は生きています(※2)。
彼は「地下鉄、松本両サリン事件など13事件で殺人罪などに問われ」たということで、新たな証拠や逮捕者が出たところでまた一つ一つやって行くといった中で今日まで来ているのだと思われ、私に言わせれば現況は理解不能であり彼のような人間は一結論を以てさっさと死刑にすれば良いと思っています(※2/※3)。
また、中には「裁判は間違う可能性があり、死刑が執行されてからでは取り返しがつかない」といった形で、絶対的な証拠見極めを求め暫くの様子見を訴えたりもする死刑反対論者もいて、それはそれでそれなりの理屈があるのかもしれず一つの考え方だとは思いますが、麻原死刑囚のように誰が考えても判決がひっくり返り得ない人にまで、死刑執行を躊躇う必要はないのではないかと思います(※4)。
それからまた、繰り返されてきた誤認逮捕も大変な問題であり、例えば先日も「大阪府警北堺署がガソリンの窃盗事件で男性会社員を誤認逮捕し」、85日間も身柄拘束していたという事件が明るみに出ましたが、何と馬鹿なことかと私は呆れ果ててしまいました(※5/※6)。
当該事件では「男性の弁護人の調査で、犯行時間帯に男性が別の場所で車を運転していたことが判明。府警が調べたところ、防犯カメラの時刻設定がずれており、男性は、犯行があったとされる時間帯より前に給油していたことがわかった」わけで、司法警察活動のいろはのいで行われるはずの当たり前の捜査すら為されておらず、杜撰の一言に尽きるのだと思います(※7)。
あるいは、当ブログでも幾度も批評してきた「検察審査会制度」(09年5月改正法施行)についても実態を踏まえた上で見直されるべきであり、例えば小沢一郎氏の政治生命が終わってしまったのも、そもそもの発端は11年1月末のあの強制起訴にあることは、先々週水曜日のブログ『政治家・小沢一郎の終焉』でも述べた通りです(※8)。
もしあの時あのような形で起訴されず小沢氏が民主党の代表に就任していたならば、当時『「原子力に詳しい」と自画自賛』していた全くど素人の菅直人氏が3.11後の日本で人災を拡大させることもなかったかもしれませんし、民主党という政党があれ程までに弱体化し今回の参院選で歴史的な大敗を喫することもなかったかもしれません(※9/※10/※11)。
更には、民事裁判が結審するまでに要する膨大な時間というのも、弁護士だけを儲けさせるようなシステムになっているのではないかと思わざるを得ないような部分もあり、日本の司法の問題を挙げたらきりがない話ではありますが、何れにしても法科大学院制度云々の前に上記問題等を解決して行くことの方がもっと大事なことだと思います。
そして法科大学院制度の立直しということも、そうした問題を解決して行く中で為されて行くものと思われ、例えば公判から公判まで一ヶ月以上もかかるといった可笑しな現況をよりスピーディーに出来たならば、法曹人口の拡大は言われている程に必要なのかということにもなるのかもしれません。

参考
※1:2010年9月13日北尾吉孝日記『日米の政治状況と経済対策について
※2:2013年5月10日MSN産経ニュース「麻原死刑囚の2度目の再審請求認めず
※3:2012年6月24日MSN産経ニュース「【オウム真理教研究】(下)麻原死刑囚は独房で車いす 裁判再開で見通し立たぬ死刑執行
※4:2013年7月21日大分合同新聞「死刑廃止へ議論を 大分市で公開シンポ
※5:2013年7月22日Yomiuri Online「給油時のカード不使用 確認怠る…誤認逮捕
※6:2013年7月20日東京新聞「大阪府警が窃盗容疑で誤認逮捕 釈放まで85日間拘束
※7:2013年7月20日Yomiuri Online「大阪府警が誤認逮捕、証拠映像の時刻設定にズレ
※8:2010年4月9日北尾吉孝日記『政界再編に向けた動きと民主党政権の行方
※9:2012年3月1日北尾吉孝日記『「民間事故調報告書」を受けて
※10:2012年7月12日北尾吉孝日記『「国会事故調」報告書の諸問題
※11:2013年7月23日北尾吉孝日記『参院選に関する所感と再度の二大政党制へ向けての挑戦




 

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