北尾吉孝日記

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シリアの化学兵器使用疑惑を巡っては、今回ロシア提案に米ロとシリアが合意できる形にし、武力行使を避け、此の問題の解決をある意味図ろうとした努力は非常に良かったと私は評価しています。
「限定的」と言ってみても、一旦軍事攻撃が始まれば政府軍系・反政府軍系の区別なく、爆撃等で亡くなる人が当然出てくるものと思われ、出来ることならそうした事態は避けるべきだと私自身も思っていました(※1)。
前回のイラク戦争について考えてみても、イラクは一貫して大量破壊兵器の保有を否定し続けていましたが、米国はそれを保有しているに違いないと一方的に決めつけて音頭を取り、英国や日本等の国々がそれに乗っかる形でイラクという国に攻撃を仕掛けることになりました(※2)。
イラクが大量破壊兵器を保有していればまだしも結局イラクはそれを保有していなかったわけで、その結果大変な数の人の血が流れ今日でも流れ続けて、未だ以て戦争状態の如く内乱が多発しているという状況です(※2/※3)。
上記惨劇は米国ブッシュ政権により起こされたものですが、それにより一体誰が幸せになったのか、何が良くなったのかということについて冷静に考えてみるべきで、私に言わせれば、武力行使などに踏み切らない方が余っ程良かったのではないかと思っています(※4)。
今回のオバマ大統領の対応に関しては、「ぶれる大統領」とか「ふらふらした外交政策」といった批判も一部から聞こえてきますが、こうした類においては大いにぶれて結構で「君子豹変」して良い問題だと私は捉えています(※5)。
言うまでもなく、ぶれてはいけない事柄は勿論ありますが、新しい物事の展開つまりロシアの新提案を受けて、オバマ大統領の考え方ががらりと変わったということは寧ろ良かったと思うわけです。
但し、結果において脅しということになりましたが、米国の武力行使の脅しなかりせばシリアは米ロの合意した提案を呑むこともなかったわけで、そういう意味ではオバマ大統領はその重要な役割をきちっと果たしたとも言えましょう。
従って、今回の事でオバマ大統領に対して何だかんだとネガティブな評価を行うのは間違っていると思われ、変えないことよりも結果どう言われるかを熟知しているにも拘らず勇気を持って変えた、ということを寧ろ評価すべきだと思うのです。
『易経』に「君子豹変す、小人は面を革む(君子とは自己革新を図り、小人は表面だけは改るが、本質的には何の変化もない)」という言葉がありますが、正に今回のオバマ大統領は「君子は豹変する」典型例だと言えるのではないでしょうか(※6)。

参考
※1:2013年9月11日MSN産経ニュース「オバマ氏が演説、決議案投票延期を要請 限定攻撃で牽制の考え
※2:2010年11月9日北尾吉孝日記『国家我・組織我について・・・北方領土問題、尖閣諸島問題、イラク戦争
※3:2013年8月29日北尾吉孝日記『中東問題と政教分離
※4:2011年2月25日北尾吉孝日記『人間の使命
※5:2013年9月16日西日本新聞「『ぶれる大統領』に秋風 シリア攻撃、当面回避
※6:2009年3月2日北尾吉孝日記『「易経」に学ぶ①




 

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