北尾吉孝日記

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御存知のように、議会の「ねじれ」故に米国2014会計年度(13年10月~14年9月)の暫定予算案が不成立となったことで、今政府機能の一部停止等の影響が各所で出てきていますが、結論から申し上げれば、私は然るべきところで事態は収束に向かうと見ています。
昨日の朝日新聞記事「(縮むアメリカ)APEC欠席 共和党の若手、過激化 一線越えた議会対立」にも書かれていますが、要するに今回共和党の1年生議員が多くの仲間を募って随分強硬に同党執行部に対して行動を迫るという中で、今のところ中々妥協するというところには至っていませんが、何時までも現下の愚かな状況を続けるわけには行きません。
今回の事態は約17年ぶりのことで、前回は「94年の中間選挙で大勝した共和党保守派のギングリッチ下院議長が歳出削減による財政再建を迫り、民主党のクリントン政権と激しく対立。暫定予算が失効し、95年11月に5日間、12月から翌年1月にかけて21日間、政府機関の閉鎖に追い込まれた」というものでした(※1)。
当時も共和党は「現在と同様に、暫定予算と政府債務上限問題で政権から譲歩を引き出す戦術」をとったわけですが、「国民世論はしだいに共和党から離れ、最後は共和党が部分的な歳出削減と引き換えに暫定予算の延長に応じ事態を収拾」するということになりました(※1)。
そして上記過程を経て、政府機関閉鎖の直前に46%(95年10月時点)であったクリントン大統領の支持率は54%(96年3月)に達し、その年の11月の大統領選で彼は再選を果たすことになるのですが、オバマ大統領としても支持率45%・不支持49%という中で、現在の混乱を上手く利用し国民の支持を取り付けようとするでしょう(※2)。
他方、ある合同世論調査によれば、政府機関閉鎖の「責任は共和党にあると考える人が44%、民主党側は35%」ということで、共和党としても選挙政策上こうした事態を余り長引かせても自分達のプラスにはならないと考え、嘗てのように事態収束へと持って行くのではないかと思います(※3)。
来週「17日までには16兆7000億ドルの債務上限を引き上げなければならない」という問題もあって今色々な手が考えられているわけですが、何れにしても私としては一部で唱えられているような深刻な事態に米国が陥るという形にはならないだろうというふうに見ています(※4)。

参考
※1:2013年10月5日日本経済新聞「世論踏まえ妥協図る 米政府機関の閉鎖問題
※2:2013年10月2日ブルームバーグ「共和党に倍返しだ-オバマ氏の戦略はクリントン元大統領流
※3:2013年10月2日西日本新聞「米政府機関一部閉鎖 与野党 危うい我慢比べ
※4:2013年10月3日ロイター「焦点:深刻化する米政治対立、債務上限問題でさらに悪化も




 

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