北尾吉孝日記

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フランスの小説家・スタンダールは、天才の特徴に関して「凡人がひいたレールに自分の思想をのせないことだ」と言っています。
私はと言うと、天才の特徴とはある意味類稀なる集中力だと考えており、此の集中力を有する人は、ある期間全総力を傾けて没頭することができ、それもその没頭たるや寝食を忘れるようなものであろうと思っています。
やはり天才というのは、寝食を忘れるような集中力を持って一つの事柄を必死になって考えるということが重要であって、そうした努力なくして天才が次から次へと生まれることはあり得ないと思います。
例えば、拙著『ビジネスに活かす「論語」』(致知出版社)の第二章「必死に取り組むことによって閃きが生まれる」の中では、次の「アルキメデスの王冠の話」を御紹介したこともありますが、之がかの有名な「アルキメデスの原理・・・流体の中で静止している物体は、それが押しのけた流体の重さだけ軽くなる、すなわち浮力を受けるという原理」に繋がって行くことになります。

【王様から「この王冠が本物の金でできているかどうか調べろ」と命じられたアルキメデスは、いくら考えても調べる方法がわからなかった。ところが、風呂に入ったときに水があふれるのを見て閃いたわけです。
水をいっぱいに満たした容器に王冠を入れてあふれた水の体積と、王冠と同じ重さの純金を入れてあふれたときの水の体積を比べれば、王冠が純金でできているかどうかわかるじゃないか、と。】

あるいは当ブログでも嘗て下記ご紹介したように、世界的に極めて有名な数学者であるポアンカレーの発見に対して、日本が誇るべき天才的数学者・岡潔氏は次の見解を持たれていたようですが、ポアンカレーの発見の在り方というのは岡氏のみならず、他の大数学者達からも大変な支持を受けているものです。

『一九一二年に死んだ、フランスが世界に誇る大数学者に、アンリー・ポアンカレーという人がいた。「科学と方法」(岩波文庫)という本を書いて、その中に一章を設け、数学上の発見と題して、自分の数多くの経験を詳細に述べ、その後にこう言っている。
かように数学上の発見は、
一、パッと一時にわかる。
二、理性的努力なしには発見は行われないが、それが起こるのは努力の直後ではなく、大分時間が経ってから後である。
三、結果は殆ど理性の予想の範囲内にはない。
この三つの特性を備えているのだが、これが如何なる知力の働きによるのか、如何にも不思議である。』

史上天才と言われる様々な人は、恐らく上記したような形で徹底的に考えに考えた末、暫く当事項から離れていたとしても、何かの拍子にある日突然それが蘇ってきてふっと閃き、そしてまたそれをヒントにし考えて目標を達成し、ということを繰り返してきたのだろうと思われ、そういう中で世紀の大発見というものに繋がって行くのだろうと私は思っています。




 

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