北尾吉孝日記

『青と運』

2014年10月10日 16:30
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青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇・名城大学教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授が今年度のノーベル物理学賞を受賞されました。日本人として慶賀に堪えない。
昨日の日経新聞記事「ノーベル賞3氏に聞く」には、「若手もチャンスある」(中村教授)や「リーダーはぶれるな」(赤崎教授)といった指摘と共に、天野教授が話された「成果が出ないときもあったが実用化に向けたテーマ設定を見直すことで続けることができた。何ごとも根気強く続けることが大切」という言葉が載っていました。
新聞等を見ても御三方夫々が大変素晴らしいコメントを残されているわけですが、私として今回とりわけ天野教授に対し「人間として非常に謙虚で立派な方だなぁ」という印象を受けた次第です。
日本情報多言語発信サイト「nippon.com」の記事中「光技術の革命」にも書かれているように、LEDの「発明は1962年で、当時ゼネラル・エレクトリック社の研究者だったニック・ホロニアックJr.氏によるもの。当初は赤色のみだった。後に西澤潤一・東北大学教授により、高輝度の赤色LED・緑色LEDが開発され、(中略)さらに黄緑色LEDも開発されたが、光の3原色(赤・緑・青)のうち残る青の開発は難航」していました。
それから後、今回の受賞者3名が大変な業績を示されたことで青が主流となり、青が最も実用に供されたという事実は勿論あるにはあるのですが、その一方で何時も思うのは、結局ノーベル賞を取れるか否かは、運といったものも中々大きいのではないかということです。
之は上記した西澤教授にも言い得ますし、例えば論文引用数の多さで知られ予てより呼び声が高い理化学研究所の十倉好紀・創発物性科学研究センター長、あるいは毎年ノーベル文学賞の最有力候補に挙げられ海外でもその小説が結構売れている村上春樹氏にも当て嵌まる話でありましょう。
此の村上氏というのは神戸高校の先輩で私の兄貴と同窓でもあり、兄弟揃ってのファンですから当年も昨日「今年こそは!」と心密かに思っていましたが、残念ながらその思い届かず仏作家パトリック・モディアノ氏の受賞という運びとなりました。
何れにしても嘗て当ブログでも述べた通り、成功するため運を呼び寄せるものとしてはやはり「努力」「誠実さ」「粘り」の3つが特に重要であって、「何ごとも根気強く」(天野教授)取り組む姿勢を持つ中で運にも恵まれるということもあるのでしょう。
そして此の運とは、日々の努力を通じた研鑽を惜しみなくやりながら常に知性や感性を磨き働かせ続けると共に、その感性に含まれる一つの情意といった部分も発達させて行く中で自らが主体的に掴み生かして行くものだと私は思っています。




 

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